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「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」

掲載日:2016年10月15日
 ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)では、平成26年度に開催した「未知なる世界への憧れと挑戦 」に続く、守屋壽コレクションを紹介する第2回の展示会を開催します。「近世の対外交渉と異文化交流」をテーマに、平成27年度に追加で寄託された資料、平成25年度寄託で未公開の資料などを展示します。

[プロローグ] 大航海時代の結実〜一体化する世界と西洋人の「ジパング発見」〜
 1492年のコロンブスのアメリカ到着にはじまる大航海時代は、世界の姿を大きく書きかえました。1543年からは西洋諸国と日本の交流がはじまります。ここでは西洋の古地図の変遷をたどりながら、日本が西洋世界に登場するまでの様子を次のとおり紹介します。

[第1部] 「徳川の平和」の枠組みと国際交流
 江戸幕府の成立後、幕府は拡大する西洋諸国の影響(とりわけキリスト教)を排除し、アジアでは朝鮮との国交正常化、中国の王朝交代への対応などに迫られました。その結果、「鎖国」とよばれる江戸時代独特の「外交の枠組み」をつくりあげました。
 朝鮮通信使や琉球使節、長崎での中国人・オランダ商館の人々との交流を通じた江戸時代の異文化交流の様子を紹介します。

[第2部] 蘭学の隆盛と、北太平洋をめぐる列強の覇権争い〜19 世紀の新たな動き〜
 18世紀後半以降、ヨーロッパでは情勢に新たな変化が見られます。この時期、日本国内では、蘭学が発展し、西洋の知識や技術を積極的に取り込もうとする気運が高まります。そして、日本近海では西洋諸国が北太平洋をめぐる覇権争いを展開し始めます。
 ここでは、日本を取り巻く国際環境が大きく変化した19世紀前半から開国に至るまでの異文化交流の姿を紹介します。

[エピローグ] 近代日本への序曲〜開国後、新たな国際秩序の中で〜
 開国後、日本は西洋の近代世界秩序にくみこまれます。西洋の近代技術を導入した明治日本は、アジアでいち早く近代化を達成しますが、ここでは明治維新以前の、新たな国際環境のもと、世界に再登場するスタートラインを紹介します。
(ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)主任学芸員 尾崎光伸)

「守屋壽コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」平成28年度企画展 追加受託 至高の古地図・絵図コレクション「完成」記念企画展
【会期】平成28年10月14日(金)〜11月27日(日)
【会場】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)(福山市西町2-4-1)
【開館時間】9:00〜17:00(入館は16時30分まで)
【休館日】月曜日 ※ただし、8月1日は開館
【入館料】一般700円(560円)、大学生520円(410円)、高校生以下無料
※( )内は前売特別入館券及び20名以上の団体
【問い合わせ先】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)084-931-2513

左:世界人物図 右:万国総図(日本初の印刷世界図) 


プトレマイオスの世界図(古代ローマ時代の世界地図を1500年頃に印刷したもの)