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プロジェクト武田山

掲載日:2015年4月1日
 私たち「プロジェクト武田山」は、身近な山の文化・歴史的な価値や景観的な良さを取り戻すことができればと麓の有志等に声をかけ、平成15年2月に発足し、「武田山を広島市民の里山に」との思いで、現在90名の会員で活動しています。

 武田山(標高411m)は、広島市街地から北方面に望むことができ、広島市民には馴染みのある山です。中世の時代、300数十年の長きに渡り安芸の国を統治していた安芸・武田氏が築いた銀山城跡※(県史跡)もあり、中世の山城を彷彿させる巨石や曲輪の跡も残っています。麓から山頂まで約80分で登ることができ、広島市街地や瀬戸内海方面の眺望も見事なことから、近年、登山を楽しむ人も増えています。その一方で、間伐・除伐が行き届かないために樹木は暗く繁り、登山道に枝が張り出し、笹が生い茂るなど、荒廃も進んでいるのが現状です。

 私たちはそんな武田山を、市民が愛し、親しみをもって関わり、気軽に楽しく、息長く育てるため、景観・里山づくりを増進させる体験として、遊歩道・里山整備を行っています。この活動は、広島市が実施する「ふれあいの樹林事業」にも指定されています。また、体験活動を通じての地域交流を図る活動として、武田山登山会を、武田山・銀山城史跡の保全に関する歴史・文化・自然・環境の学習活動する場として武田山フォーラムを開催しています。その他、他団体との連携にも力を入れ、ひろしま緑づくりインフォメーションセンター(31団体加盟)に加盟し、広島県内各地の森林ボランティア団体等と情報交換や技術の習得を、また、武田山関連団体連絡会(11団体加盟)との情報交流や協働事業等を定期的に行っています。

 4月19日(日)には、第12回となる武田山フォーラム「毛利元就直轄領佐東と堀立直正」を開催します。講師に広島大学名誉教授文学博士・岸田裕之先生をお迎えし、佐東を直轄領としていた毛利元就を軸に、交通・流通の要衝という地域性、また新法制の運用と変革の方向性、堀立直正ら直臣が領国の拡大と支配に果たした役割等についてお話をしていただき、その重要性を総合的に考えます。講演の前には、ソプラノ歌手・松岡美奈子さんによるミニコンサートも開催します。ぜひ、お誘いあわせの上、ご来場ください。

※銀山城(かなやまじょう)が一般的に使われているが、古文書によると金山城となっており、プロジェクト武田山では、金山城と標記するようにしている。

【第12回武田山フォーラム「毛利元就直轄領佐東と堀立直正」】

■日時 2015年4月19日(日)12時30分開場
■場所 広島経済大学6号館(広島市安佐南区祇園五丁目37番1号)※駐車可
■参加費 500円(事前の申し込みは不要)
■講師 岸田裕之先生(広島大学名誉教授文学博士)
■お問合せ 会長 根平邦人 082−277−0006
★武田山への交通機関
最寄りの駅:JR可部線「下祗園駅」(JR山陽本線広島駅から15分)

武田山(市民)登山会の様子


里山整備の様子


武田山フォーラムの様子