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山野民俗資料保存会

掲載日:2017年1月21日
 「今やらねば」の気持ちで山野民俗資料保存会を立ち上げたのが1976(昭和51)年4月でした。時勢でしょうか、この頃、古い民家や納屋が次々と建て替えられていきました。それは当然、古い物がどんどん失われていくということでした。そうした現状を目の当たりにし、今、古い物を残しておかないとそれこそ過去が消えてしまう、そんな思いで保存会を立ち上げたのです。
 以来、建て替えられる家があると聞けば、軽トラックで馳せ参じ、時にはクモの巣を払い、時にはカビ臭い臭いや埃を払いながら、不要とする物を貰い受けて帰り、大事に保管、展示してきました。          

 1979(昭和54)年には「山野民俗資料」が福山市の有形民俗文化財の指定を受け、これを機に更に資料の収集に努め、8年の歳月をかけて、1990(平成2)年に、収集した資料の集大成として、440ページに及ぶ民俗誌「やまの」を発刊しました。 これは、広島文化賞と広島県文化財協会賞の二つを受賞しました。

 平素の活動は、資料の公開と合わせ、1982(昭和57)年より地元の小学生を対象に注連縄づくりを、1985(昭和60)年より昔の子どもの遊び道具作りの講習会を続けています。 また、1995(平成7)年より毎年、郷土芸能、民俗芸能の伝承を目的に祭りを実施しています。3年前からは雛人形展、七夕祭りを地元の子どもたちと一緒に行い、伝統行事の伝承に努めています。

 前々から会員より出ていた展示資料の解説書の発刊を本年度実現することが出来ました。公益財団法人ひろしま文化振興財団の助成を受け、42ページのカラー刷りの解説書です。展示資料見学の、また、簡単ではあるが、生活史を知る一助になればと思っています。

 素人ばかりの集団であるため、また、極めて地味な活動であるため、思うようにはいかず、難行苦行の日々ですが、心そろった会員に助けられながら頑張っているところです。

【問い合わせ先】
福山市山野町山野165 
TEL 084ー974ー2306(世良方)
TEL 084−974−2851(山野公民館)

子どもたちと七夕飾りをしました


昔の遊び道具作りで竹馬を一緒に作りました


毎年行っている「水車と語りん祭」