トップページ> 文化団体リレーレポート
文化団体リレーレポート
バックナンバー一覧
尾道建築塾 特別企画 〜尾道名旅館建築巡り〜

掲載日:2012年8月19日
 瀬戸内海のおだやかな海と山々に囲まれた街、尾道。尾道固有の町並みや建物はそこで営まれてきた暮らしの歴史であり文化です。その中でも特にユニークな環境をもつ山手地区ですが、現在、空洞化と高齢化が進み、空き家が数多く存在しています。その中には建築的価値が高いもの、不思議で個性的なもの、景観が優れているもの等さまざまな魅力をもったものも含まれていますが、残念ながら住人を失った家々の傷みは年々加速しています。NPO法人尾道空き家再生プロジェクトではそれらの空き家を再生し、新たな活用を模索していきます。この活動を通じてほかにはない尾道らしいまちづくりを展開していきたいと思います。

 今まで「尾道建築塾たてもの探訪編」として、尾道の旧市街地に残る建築や再生事例などを紹介してきましたが、今年度は特別企画として名旅館建築だけを一軒ずつじっくり見学する「尾道名旅館建築巡り」を行ないます。普段は泊まらないとなかなか見る事の出来ない客室やお風呂場など、各旅館のご好意により特別に見学させていただきますので、この機会にぜひ、すばらしい旅館建築に触れ、地域の歴史的文化遺産を再発見していただけたらと思います。

<尾道の旅館建築の特徴>
 旅館建築は旅人が日常を離れて優雅に過ごせる空間として、普通の住宅では見られないような凝った意匠が細部にまでちりばめられているのが特徴です。古くから風光明媚な観光地として愛されてきた尾道においては、戦前の豊かな時代に当時の職人さんの高い技術と現代では手に入らないような銘木をふんだんに使って贅沢に造られた歴史的建物が、今もなお現役の老舗旅館として親しまれています。もともと個人の別荘として建てられたものや、海の上を移動させて来たもの、映画のロケ地として使われたものなど、旅館ごとにさまざまな歴史やエピソードが残っているのも尾道ならではの旅館の特徴です。

■参加費:各回1500円(NPO会員 各回1000円)
(各旅館での茶話会時のお茶とお菓子代、見学謝礼、講師代、資料代)
*参加者全員に全回終了後に作成する小冊子をもれなく配布します
■定員:各回15名(予約順)
 予約:080-6323-9921
 メール:kenchiku@onomichisaisei.com
 集合時間・場所:各回開始10分前に現地集合(現地解散となります)
 *お車でお越しの方はご相談ください
■内容
 最初に専門家(建築士や数寄屋大工)の説明による1時間ほどの建物見学会を行った後、女将さんや関係者を囲んでの茶話会を行ない、建築と歴史の両面から各旅館の理解を深めます。

<講師プロフィール>
渡邉義孝:一級建築士・尾道市立大学非常勤講師。1966年生まれ。「風組・渡邉設計室」代表。住宅設計・民家再生・文化財調査などに携わる。NPO尾道空き家再生プロジェクト理事。著書に『風をたべた日々』、共著に『セルフビルド〜家をつくる自由』など。
豊田訓嘉:豊田工務店 数寄屋大工(解説)

【主催】NPO法人 尾道空き家再生プロジェクト
【協力】旅館魚信、西山本館、旅館住之江、西山別館、いんのしまペンション白滝山荘、風組・渡邉設計室、豊田工務店
【後援】尾道市教育委員会 文化振興課
【助成】公益財団法人ひろしま文化振興財団
【デザイン】小野環

詳細はこちら→『尾道建築塾 たてもの探訪編 特別企画 「尾道名旅館建築巡り」』