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みよし風土記の丘ミュージアム『ぐるっと ひろしま 神楽めぐり』

掲載日:2014年8月15日
閉幕まで 残りわずか !
みよし風土記の丘ミュージアム

  


■神楽って何?
 神楽は、お祭りなどで神が座る場所をいう「神座(かみくら・かむくら)」という言葉が、やがて神に奉納する舞をさすようになったと考えられています。
 神楽本来の流れは、(1)神様や祖先の霊を呼び出し (2)考えやお告げを授かり (3)神や祖先に感謝し (4)再び送る、というもので、(1)・(2)・(4)を「神事(儀式)舞」、(3)を「能舞」と呼びます。
 現在、県内全域で行われている様々な神楽は、奉納する神や内容から「比婆荒神神楽」「芸北神楽」「安芸十二神祇」「芸予諸島・沿岸部の神楽」「備後神楽」の5つの系統に分けられていますが、神楽本来の(1)〜(4)の流れを伝えるものと、能舞に新たな演出を取り入れた演劇性の高いもの、またその中間のものなどが混在しています。

■ひろしまの神楽の歴史
 広島県の神楽の歴史は、今から約400〜500年前の室町時代までさかのぼります。現在も県の東〜中部で舞われている五行祭・王子舞や、県の南西部で舞われている荒平舞が、当時、県内で広く舞われていたとの記録が残っています。また、江戸時代初め頃の比婆荒神神楽の様子が分かる文書も残っています。
 江戸時代の終わり頃になると、神楽に関する資料が各地に残り、芸北地域に石見神楽が導入された様子も伺えるなど、この頃から現在、県内各地で舞われている神楽が定着したと考えられます。さらに明治時代には、テンポの速い「八調子」が広まった石見神楽において、速いテンポで舞うための軽い和紙製の面の考案や、棒提灯にヒントを得た提灯胴の大蛇の製作、立体的できらびやかな衣装の使用などの工夫が行われ、それらが芸北神楽を中心に県内の神楽に影響を与えたと思われます。

■ひろしまの神楽の特徴
その1  神への感謝や祖先の霊の浄化など中世以来の伝統を守りながら地域で息づいている神楽や、神に奉納するという本来の目的を守りながらも演劇性が高く現代の娯楽としての方向性も指向する神楽など多種多様な神楽が存在すること。
その2  それら多種多様な神楽が、いずれも我々の生活の中に根を張り、今も活きていること。

■展覧会のオススメ
 この展覧会は、面や衣装などの神楽道具、古文書、神楽の動画などの展示により、県内の神楽の歴史と文化をご紹介します。
 さあ!広島県初の神楽展も残りあとわずか。ぜひ、ご覧ください。

夏の特別企画展『ぐるっとひろしま 神楽めぐり』
【会場】みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館)(三次市小田幸町122)
【会期】7月19日(土)〜8月31日(日)
【時間】9:00〜17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日
【料金】一般500円(400円) 高・大学生380円(300円) 小・中学生250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金
※上記の料金で、常設展もご覧いただけます

関連行事
■神楽上演会
・8月17日(日)13:00〜16:00 比婆荒神神楽
・8月24日(日)13:00〜16:00 芸北神楽
※特別企画展の入館料が必要です
■記念講演会「ひろしまの神楽−過去から未来へ−」
【日時】8月23日(土)14:00〜
【講師】三村泰臣先生(広島工業大学教授)

【問い合わせ先】みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館) 0824-66-2881

みよし風土記の丘ミュージアムマスコットキャラクター「ハニワだもん」in神楽


安芸十二神祇「世鬼(せき)の舞」 中世から続く荒平(世鬼)の舞。「死繁昌(しはんじょう)の杖」を持った世鬼がゆったりと舞う


「ぐるっと ひろしま 神楽めぐり」のちらし