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ふくやま草戸千軒ミュージアム「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展IN福山」

掲載日:2017年10月1日
 全国の刀匠たちが挑んだエヴァンゲリヲンの世界。作品に登場する槍や刀剣、さらに作品からインスピレーションを受けたオリジナルの一振りなど、刀剣界がその伝統の技を惜しみなく注ぎ、数々の新作刀剣類を制作しました。「日本刀」と「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の奇跡的なコラボレーションが見せる日本の伝統技術と新しい日本刀の世界をご覧いただきます。 
   
 「エヴァンゲリヲン」は、1995年のTVシリーズ「新世紀エヴァンゲリヲン」の放送から始まった、世界的に人気の高いアニメーションです。未曾有の大災害「セカンドインパクト」後の世界を舞台に、人型決戦兵器「エヴァンゲリヲン」のパイロットとなった14歳の少年少女と、次々に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描いています。2007年からは映画新シリーズ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」がスタートし、若者を中心に幅広い年代の男女に受け入れられています。

 展示品の中で最も大きく迫力のある作品が、この「エヴァンゲリヲン」を象徴する武器「ロンギヌスの槍」をモチーフとしたもの(写真)です。全長332僂猟垢気圧倒的な存在感を放つこの作品は、地元広島県北広島町在住の刀匠三上貞直さんが、弟子の橋本庄市さんとともに制作しました。この他、広島県在住の金属造形作家である山本佳織さんが制作した「エヴァンゲリヲン初号機型 兜」や、広島市立大学出身の金工作家の佐故龍平さんが制作した「覚醒烈勢面(かくせいれっせいめん)」など、広島県にゆかりのある作家作品も見どころです。
 
 また、福山会場独自の展示として、「ふるさとの刀匠 法華一乗(ほっけいちじょう)―備後刀の歴史と美―」と題した特設コーナーを設けました。当館が常設展示のテーマとする草戸千軒町遺跡の広がる草戸(今の福山市草戸町付近)の地で制作されたという刀剣「法華一乗」を中心に、広島県東部地域(旧備後国)の刀剣史を鎌倉時代末期から現代にいたるまでの作品で紹介します。
 
 鎌倉時代に備後国で、今の福山市神辺町下御領国分寺付近と考えられる地域で作刀した「助国(すけくに)」から始め、鎌倉時代末期に活躍した三原正家(みはらまさいえ)を祖とし、三原など備後各地に移り住んで室町時代末期まで活躍した刀工たちの作品のほか、南北朝期以後の刀工として、備後草戸の「法華一乗」や、尾道を拠点に活動した「其阿弥(ごあみ)」や「辰房(たつぼう)」などの作品も展示します。
 また、江戸時代末期に福山城下で作刀した福山藩の刀工・竹中邦彦や龍泉子驍邦(りゅうせんじたけくに)、備前長船横山派(びぜんおさふねよこやまは)の刀工の作品も紹介します。
 
 スタイリッシュなデザインが近未来的な「エヴァンゲリヲン」関連作品と、鎌倉時代以来の古典的な備後刀は、一見対照的にも見えます。しかしこれらには、共に平安以来の伝統に裏打ちされた、日本独自の高度な作刀技術が注ぎ込まれているのです。この新旧日本文化のコラボレーションから、日本のモノづくり、伝統技術のすばらしさを再認識していただくと共に、新たな文化創造の可能性を感じていただければ幸いです。
(ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)主任学芸員 石橋健太郎)

「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展IN福山」
【会期】平成29年9月30日(土)〜12月3日(日)
【会場】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)(福山市西町2-4-1)
【開館時間】9:00〜17:00(入館は16時30分まで)
【休館日】月曜日 ※ただし10月9日(祝)は開館
【入館料】一般800円 高大生600円 小中生400円
※未就学児無料
※団体割引(20名様以上)は当日券の100円引き
【問い合わせ先】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)084-931-2513

■関連行事はこちら→「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展IN福山」関連行事

エヴァンゲリオンを操縦する少女たち(式波・アスカ・ラングレー、綾波レイ、真希波・マリ・イラストリアス)


広島県の刀匠製作の「ロンギヌスの槍」をモチーフとした展示作品 全長332僉幅18僉厚み11僉⊇杜22,200g


小太刀 銘 一乗作 室町時代初期 個人蔵