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ひろしま文化功労者表彰受賞者に聞く 〜重本天空さん

掲載日:2020年2月1日
受賞者(重本天空さん、松岡巖さん)のうち重本天空さん(呉市)にお話を伺いました。

◆ひろしま文化功労者表彰賞の受賞おめでとうございます。
 この度は栄誉ある賞を賜りまして、身に余る光栄と深く感謝致しております。

◆先生が会長でいらっしゃる「聖筆書道会」は古典に立脚した伝統書法の追求と発展を目指しているそうですが、古典をよりどころにした書法とはどのようなものなのですか?
 漢字書を学ぶ上で大切なことは、書体・書風の変遷を把握し、書法・書論を理解することが求められます。古典とは書の歴史3,500年に及ぶ中で受け継がれたものですから、理解する為には反復臨書し分析しなければなりません。古典学習の裏付けのない作品は単なる思い付きの底の浅い作品になってしまいますので、自分に合った古典を追求することを奨めています。
 
◆後進育成として、子ども達には書くことの楽しさや興味を与えられる指導を心掛けておられるそうですが、具体的にはどのようなことをなさっているのですか? また 子ども達の反応は如何ですか?
 私自身は直接子どもを指導していませんが、子ども達にはあまり筆使いを教え込まないよう、指導者にお願いしています。高校生になると芸術性を求められ、古典の臨書が必要となってきます。子どもの時に一つの方法だけを習い過ぎると古典の多彩な表現に対応し切れない例を多く見てきました。上手な字を書こうとしないで、良い字を書くように、それには墨を多くつけてのびのび書くことを推奨しています。
 このような子ども達の感想文には「意欲が湧いてきた」と喜びの言葉が綴られています。


◆今後に向けて、ひと言いただけますか?
 少子高齢化の時代、書道人口の減少に歯止めがかかりませんが、今回の受賞を励みとし、なお一層書写書道の普及に努め、書を通して広島の文化の発展に微力乍ら尽力致したいと思っております。
 また、現在わが国の書道関係者が団結して、日本の書道文化をユネスコの無形文化遺産に登録すべく活動していますが、一日も早く実現することを願っております。

 
ありがとうございました。
今後の予定を伺いました。皆さん是非お出掛けください!

■第29回 天游文会書展
と き: 令和2年6月19日(金)〜21日(日)
ところ: 呉市立美術館(呉市幸町4−9)

贈呈式で受賞者挨拶をする重本さん


特別研修会での重本さん(神田山荘)


第28回天游文会書展(呉市立美術館)