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広島文化新人賞受賞者に聞く 〜大野内愛さん

掲載日:2021年5月15日
令和2年度 広島文化新人賞を受賞された御三方のうち、三人目のご紹介は大野内 愛さん(東広島市)です。

◆広島文化新人賞の受賞、おめでとうございます。
 ありがとうございます。大学院を卒業してからこれまで、色々な場面で演奏の機会をいただき、活動してきました。広島はオペラも盛んですが、初めからそうした文化的土壌があったわけではありません。先輩方が必死で築いてこられたものです。この恵まれた環境で、活動させていただいていることに、心から感謝いたします。

◆歌手を目指されたきっかけは?また、歌うために日頃気を付けていることがありますか?
 もともと人前でパフォーマンスをすることが苦手な性格でしたが、歌だけは人が褒めてくれたので、自信が持てたことがきっかけだと思います。歌詞の意味や時代背景など関係なく、とにかく歌うことそのものの喜びからスタートし、教えてくださった声楽の先生に褒めてもらえるのが嬉しくて、毎日一生懸命練習してレッスンに臨みました。
 歌うためにはやはり体が楽器ですから、睡眠をたくさんとるようにしています。また、私はソプラノなのですが、話し声がとても低くなってしまうので、意識して高く話すように心がけています・・・でも、なかなか難しいです。
 
◆2011年以降、小中学生を対象とした「音楽鑑賞教室」を続けておられますが、そこに込められた思いや子どもたちの反応についてお聞かせいただけますか?
 私自身が以前、中学校の音楽科教員をしていたこともあり、本物を体験することの大切さを感じてほしいと思い、子どもたちへの「音楽鑑賞教室」に力を入れています。
 子どもたちにとっての身近な曲を演奏することもありますが、それよりも、本物の声の迫力や表現の面白さを感じてほしいと思っています。プログラム順も重要です。子どもたちが何かに気づいたり、驚いたりするきっかけを作るよう心がけています。特にオープニングの曲には気を配るようにしており、一発目の声に対して、子どもたちが「おー」と自然に声を出して感動している様子は、私たちにとっても快感ですし、子どもたちを一気に声の世界に引き込むことができます。また、体育館などが会場となることが多いのですが、できるだけ近距離で同じ世界を感じてほしいという思いから、演奏はステージの上ではなく、子どもたちと同じフロアで行っています。また、衣装もピアノの音色も、私たちのパフォーマンスの1つです。
 その結果、声の魅力に感動した子どももたくさんいますが、それだけではなく、私たちが汗だくで歌っている様子を見て「プロの人たちも一生懸命歌っているんだと思った」とか、「衣装がとてもきれいだった」とか、「私もピアノを習っているけど、あんなにきれいな音が出るんだと思って感動した」など、子どもたちの反応や着目するポイントは様々で、近くから見られたからこそ気づいたこともあるようです。
 音楽によって驚いたり、感動したり、ワクワク・ドキドキしたり・・・心が動く体験を大切にしています。
  
◆これからの目標など、今後に向けてひと言お願いします。
 これまでは、諸先輩方が築いてきた文化的な土壌で、演奏活動をさせていただいてきましたが、これからは、この環境に感謝しながら、私自身もさらに広島の文化を継続・発展させられるような活動をしていきたいと思っております。

ありがとうございました。
秋・冬にはコンサートが開かれるそうです。
楽しみにしています!


令和3年度レクチャーコンサート(プロデューサー:奥田 誠)
 オペラの名曲を、広島の歌手とともにわかりやすい解説でお送りします。
日時: 令和3年9月15日(水)14:00開演
会場: 広島市東区民文化センター 
出演: 奥田誠・大野内愛・平福知夏・松岡由希子・飯島聡志・枝川一也・枝川泰子

あきクラシックコンサート
日時: 令和3年12月12日(日) 詳細未定
会場: 安芸区民文化センター-」

大野内 愛さん


コンサートでのカーテンコール(大野内さんは左から4番目)


シューマン「女の愛と生涯」演奏