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呉の美術―激動の時代を越えて―

掲載日:2022年12月22日
呉市制120周年・開館40周年の節目にあたり、呉市立美術館(呉市)では、呉の近現代美術史を振り返る展覧会を開催しています。

呉市は、1902(明治35)年に呉湾に臨む宮原村・荘山田村・和庄村・二川町が合併して誕生しました。
この地には1889(明治22)年に旧海軍の呉鎮守府が開庁しており、海軍工廠が拡充されるなど、呉市は東洋一の軍港都市に成長していきます。

全国各地から将兵、工員ほか多くの人々が流入して都市化が進み、軍都ながら多様な価値観を包含する近代的精神が醸成され、革新的な独立美術協会系美術が隆盛するなどしました。

戦況の緊迫化により美術活動も統制されましたが、終戦翌年には疎開中の中央美術家が中心の「芸南文化同人会」、地元美術家による「呉美術協会」が結成されて、美術の復興を牽引しました。

戦後の呉市は、呉海軍工廠等の技術を礎に重工業都市として復興しましたが、美術文化も戦前の革新性や自由精神を引き継ぎ、様々な表現活動へと展開していきました。

明治・大正期以降の呉市における近代的な美術の流れをたどり、郷土ゆかりの作家の作品約160点を紹介します。

(出展作家:手島呉東、南薫造、上田直次、朝井清、長田健雄、片岡京二、池田栄廣、船田玉樹、岡部繁夫ほか)

『呉の美術―激動の時代を越えて―』
【期間】〜2023年1月29日(日)
【開館時間】10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
【会場】呉市立美術館(呉市幸町入船山公園内)
【休館日】火曜日、年末年始(12/29〜1/3)
【入場料】一般1,100円(900円)、大学生500円(要証明書)、高校生以下無料
※( )内は一般前売及び20名以上の団体料金、シルバー料金(70歳以上の方、要証明書)、障害者手帳等をお持ちの方は無料(要証明書)。
【問合せ先】
呉市立美術館 TEL:0823-25-2007

南薫造《六月の日》1912年 東京国立近代美術館蔵


上田直次《愛に生きる》1931年 呉市立美術館蔵


こうの史代《この世界の片隅に》2008年 (C)こうの史代/コアコミックス