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ひろしま文化功労者表彰受賞者に聞く 〜今井 豊さん

掲載日:2023年4月15日
令和4年度ひろしま文化功労者表彰を受賞された今井豊さん(尾道市)にお話を伺いました。

◆ひろしま文化功労者表彰の受賞 おめでとうございます。

 有難うございます。永年に渡って郷土史(特に村上水軍史)について調査研究に関り、執筆・講演・ガイド等の活動を行ってきましたが、それに関して評価されることはほぼありませんでした。
 今回の受賞は、歴史研究とそれに伴う活動に対しての表彰ということで永年の夢が叶えられたことを心から喜んでいます。


◆郷土史の研究や文化財保護委員として歩んでこられたこれまでの活動を振り返ってみて心に残るエピソードなどがありましたらお聞かせください。

 村上氏の発祥の地である長野県埴科郡坂城町で開催された「信濃村上氏フォーラム」に因島代表で出席して講演を行い、その夜、地元の郷土史研究家の人達と交流したことがありました。
 また、市町村合併に伴い、尾道市文化財保護委員になり、尾道のお寺の非公開の仏像を特別に見学ができたことなどがありました。


◆因島の史跡を紹介するとともに、因島の歴史に基づいて歴史小説も執筆されていらっしゃいます。
 小説を書いてみようと思われたきっかけをお聞かせください。


 歴史に興味を持って歴史に関する本を購入して夢中になって読んできましたが、一段落し今後、自分の進む方向は「古文書の解読」か「歴史小説を書くこと」しかないと思いました。
 まず古文書の解読に取り組みましたが、私は大学の教員や博物館の学芸員ではないので、古文書・資料を入手することが難しく困ったので小説を書くことに取り組もうと思いました。
 歴史は過去の事柄なのでどうしても独創性(芸術性)に欠け、そのことに物足りなさを感じていましたので、小説を書くという創造性のあることに取り組みたいと思いました。
 子どもの頃、文学全集(少年少女用)を読むことが好きで、作家に憧れたことがありましたので、子どもの頃に抱いた小説家になる夢を叶えようと思ったこともきっかけでした。


◆現在取り組んでおられることや、今後取り組んでいきたいこと等をお聞かせいただけますか?

 現在「三人の姫と三人の義人について」―因島の民話や人物、創作活動について― と言うテーマで講演の準備をしています。三人の姫は村上水軍にまつわる話で悲劇の死を遂げた姫に関する民話です。三人の義人は地元の人々のために尽くすが、最後には非業の死を遂げた三人の人物伝、この六つの民話と人物伝を小説化して行った過程を講演して行く予定にしています。
 ひととおり書き上げてはひますが、技法に稚拙さを感じますので、今後熟達していくよう努めたいと思っています。



ありがとうございました。
今後益々のご活躍をお祈りしています。

今井 豊 さん