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広島文化新人賞受賞者に聞く 〜小林良子さん

掲載日:2024年4月15日
第4回広島文化新人賞を受賞された小林良子さん(広島市)にお話を伺いました。

◆広島文化新人賞の受賞 おめでとうございます。
ありがとうございます。地元広島でこのような素晴らしい賞をいただき嬉しく思うのと同時に、いつも周りで支えてくださっている皆様に心から感謝いたします。

◆エリザベト音楽大学では声楽を専攻され、卒業後は母校で教員として後輩の指導にあたる一方、声楽家としても精力的に活動されています。声楽家をめざすことになったきっかけをお伺いできますか?
高校で所属していた器楽部で合奏の楽しさを実感し音楽をもっと学びたいと思うなり、進路について知り合いの先生に相談したのですが、その方が実は声楽をされている先生で良い声をしているよねと言われました。その時にはまだ声楽というものがピンときておらず別の可能性で悩んでいたのですが、音楽の授業でオペラ「魔笛」を観たことで人の声の持つ力強さや魅力に圧倒され、私はこれをやりたい!と思うようになり、そこから声楽を始めました。高校3年の夏だったので受験まで時間もなく大変でしたが、必死で練習し大学に合格しました。大学では友人や先生方にも恵まれ、その後も色々な方たちとの出逢いのお陰でどうにかここまでやってこれたと感謝しています。

◆これまで様々な演奏家と共演しておられますが、特に心に残るエピソードがありましたら、お聞かせください。
 ひろしまオペラルネッサンスの公演で「魔笛」、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」などのオペラに出演させていただきましたが、その中でも特に岩田達宗さん演出で「イドメネオ」のイリアという役に出会ったことは私の中でとても大きかったと思います。古代ギリシアを題材とし、戦争で父や兄を失い瘉えることのない傷を持ちながらも敵国の王子を愛してしまい葛藤する役柄で、稽古期間中は寝ても覚めてもイリアに向き合っていました。岩田さんのもとオペラの細部まで、そして感情の深いところまで掘り下げていくというのは大変な作業でしたが、この役に出会い、そして共演者と真剣に日々を過ごし、共に成長できたということは演奏家として今でも大きな糧となっています。

◆新型コロナの5類移行に伴い、学生も学外での演奏活動に取り組めるようになったそうですね。
コロナ禍では特に声楽や合唱は飛沫感染のリスクが高いということでなかなか思うように動けませんでした。5類移行前後からは、学外でも演奏の機会も増え学生たちの活躍の場は広がってきたと思います。学内での専門的な学びを通し、学生たちが学外でのコンサートや地域貢献活動に参加することで、協調性や創造性、様々な人と協働していくことの大切さを知り、社会の一員としての自覚を持つことができると考えています。そしてそこでの体験が学生自らの学ぶ意欲にも繋がっていると思うので、今後も学生たちが学内外でしっかり羽ばたいていけるようにサポートしていきたいです。

◆今後に向けて一言お願いいたします。
初心に立ち返り、今できることを大切に今後も精進してまいります。そして引き続き後進の育成、地域との協働活動にも力をいれていきたいと思っています。

ありがとうございました。
今後の、益々のご活躍をお祈りしております。

今年のフラワーフェスティバルに出演予定とのことです。皆さん、ぜひ足をお運びください!
2024ひろしまフラワーフェスティバル  職域音楽隊合同演奏会 祈念合同演奏
交響曲第9番ニ短調Op.125合唱 第4楽章 
日時:5月4日(土・祝) 12:30〜(演奏会は11:00開始) 
場所:カーネーションステージ(平和公園内)
出演:栗原剛(指揮)  
広島市消防音楽隊・広島県警察音楽隊・陸上自衛隊13音楽隊
ソプラノ:小林良子 アルト:佐々木有紀 テノール:升島唯博 バス:折河宏治

小林良子さん


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