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福山城博物館友の会〜古文書調査記録第38集「阿部家文書」発刊について

掲載日:2021年3月15日
福山城博物館友の会は、福山城博物館の事業に協力するとともに、郷土文化の調査研究を行い、広く郷土文化の向上に資することを目的とし、毎年度役員会・総会を開催し記念講演会や研究発表会・名城めぐり・史跡めぐりなど行うとともに、県内郷土史研究会の参加や会員の研究発表の場である会誌(友の会だより)の発行など、現在では約160名の会員がボランティアガイド部や古文書部など諸部会を作り意欲的に活動しています。

中でも古文書部は、長年に亘り郷土の歴史に関わる古文書の解読に励み、小場家文書の解読協力や水野勝成覚書から昨年度の下宮家文書まで37集の古文書調査記録集を発刊し、郷土の歴史解明に努めてきています。2021年(令和3年)2月には、最新刊となる38集を発刊しました。

『古文書調査記録第38集「阿部家文書」―福山初代正邦・4代正倫・7代正弘―』は、福山藩阿部家の初代・4代・7代藩主に関わる古文書を解読したもので、阿部家藩主に関するものは初めての出版となります。内容は、福山城鏡櫓文書館に収蔵の濱本鶴賓収集の鶴賓文庫にある資料を主に解読したものです。

初代藩主阿部正邦に関するもの
「宮津御城渡就御用覚帳」・「宇都宮引越御宛介定書」・「正邦書状」
「宮津御城渡就御用覚帳」は、正邦が宮津から宇都宮へ転封の時の記録で、城主交代の実態を詳しく書き記した、残っているのが珍しい古文書です。

4代藩主阿部正倫に関するもの
「正倫公御意書」・「追出御意書」
藩主正倫が窮乏した藩財政の立て直しや、藩士の綱紀の粛正に取り組む強い姿勢を著した内容です。

7代藩主阿部正弘に関するもの
「阿部正弘家督相続扣」・「阿部正弘福山城初入扣」は、城代家老佐原作右衛門の自筆の手控え帳で、正寧から正弘への家督相続の経緯、藩主となって直の最初で最後のお国入りの道中に関するものです。「正弘公御初入日記」は、正弘が領内巡見後、最後に佐原邸へ「御成り」になった日の記録です。特に、正弘に関する古文書は、鏡櫓文書館にはこの3点しかなく大変貴重なものです。
  
今までの古文書調査記録集は、部分的に現代語訳したり概要をまとめる方法としていました。今回、正弘に関する部分は全て現代語訳を試み、上段に原本・翻刻文、下段に現代語訳を対比できるように工夫を凝らしました。何が書いてあるか分からなかった古文書が、随分とわかり易く仕上がったものと思っています。
多くの方にご覧いただけると幸いです。


古文書調査記録第38集「阿部家文書」―福山初代正邦・4代正倫・7代正弘―
◆製本装丁 A4版248ページ
◆販売価格 1500円(会員価格 1300円)
◆販売場所 〒720−0061 福山市丸之内一丁目8番 福山城博物館 福山城博物館友の会事務局
※購入し郵送を希望される方は、販売価格 1500円に送料1冊当たり170円を添えて申し込みください。

※福山城博物館友の会では、会員募集中です。
歴史に興味のある方・郷土の歴史をもっとよく知りたい方などぜひ入会して下さい。
特典:博物館への入館料が無料、各種行事への案内と参加、会誌(友の会だより)への掲載と無料配布、会発行図書の割引など。

【問合せ先】
福山城博物館友の会
Tel:084−922−2117