閑渕流は、1943年(昭和18年)、旧満州(現中国東北部)の大連で、初代家元 小川閑陽(1911〜1973)により創流されました。戦後、郷里・福山に戻り、広島県下を中心に全国各地で活動をしているいけばな流派です。
「常に前を見つめて進む」−閑渕流の基本理念ともいえる初代家元の言葉があります。若くして旧満州に渡った閑陽は、その当時、革新的な大連の街で過ごす中で、旧来の日本のいけばなだけでは満足できず、環境にふさわしい、時代にマッチしたいけばなを目指しました。現在ではその意志を継ぎ、二代目家元 小川閑渕が斬新な作品を発表する一方、指導にも力を注いでいます。
活動としては、教室での日々の稽古、年4回ほど開催される講習会や、夏に行われる夏期講座等を通して研鑚を重ねていきます。教室は各地にありますが、家元教室として、中国新聞文化センターイオン三原教室、広島クレドビル教室にも出向き、広く指導を行っています。また、流誌「閑渕」を年4回発行し、季節の花材を用いた作品写真、解説を掲載することで会員の技術向上に役立てていただく他、流内の活動状況等も紹介し、会員相互の交流をも図っています。
各種勉強会以外にも、生け初め式やいけばな閑渕流展等の行事を企画、開催しています。いけばな閑渕流展は、コロナ禍以前では、秋に福山で本部展、春に三原、秋に尾道で支部展と年3回開催し、会員の日頃の成果の発表の場としてだけでなく、広くいけばなを知っていただくための活動にも力を入れていました。コロナ禍に入り活動が難しくはなりましたが、WEBで開催したり、会場を工夫して行うなど、形を変えながらいけばなの普及に努めています。
閑渕流は、広島県内だけでなく全国的にも活動を行っています。華道界の全国組織であり、常陸宮妃殿下を名誉総裁に戴く、公益財団法人日本いけばな芸術協会。閑渕流は、結成当初から参加し、現在流内から46名が入会しています。
また、同じく全国組織である日本いけばな懇話会にも参加するなど、各流派の提携を図り、いけばなの文化振興に努めています。
いけばなの根底には、愛情をもって自然を見つめ生活の中にそれを生かす、という想いがあります。それはいつの時代においても変わらない、大切ないけばなの心です。これからも、新しいいけばなの追求に尽力し、その心を未来へとつないでまいりたいと考えています。
■問い合わせ先
【閑渕流本部】TEL:084-921-6879/MAIL:info@kan-en.jp
※HP、SNSにも情報を掲載しています。
HP:https://kan-en.jp/
Instagram: https://www.instagram.com/kanenryu_ikebana/ |
閑渕流いけばな展の会場風景(2022年3月。コロナ禍のため2年半ぶりの開催となりました。)
夏期講座での家元 小川閑渕、副家元 小川智子によるデモンストレーション(2019年7月)
夏期講座での参加者による実習風景(2019年7月)
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