金箔瓦の系譜
平成21年1月、広島城に天守閣より南東に400mほど離れた遺跡(広島城跡上八丁堀地点)で行われた発掘調査によって、金箔鯱瓦と金箔鬼板瓦が出土しました。
金箔瓦とは、文様の部分に接着剤となる漆を塗り、その上に金箔を押した瓦のことで、安土桃山時代から江戸時代初期の城の建物にさかんに用いられました。広島城跡でも過去に金箔瓦が出土していますが、今回発見された金箔鯱瓦は、ほぼ完全な形と鮮やかな色彩を留め、しかも対となる金箔鯱瓦が発見された全国初の例であり、広島城の歴史はもちろん城郭史を考える上で大変貴重な発見となりました。
そこで、今回の企画展示では、新発見の金箔鯱瓦・金箔鬼板瓦を含めた広島城関連遺跡出土の金箔瓦、安土城跡・大阪城跡等の金箔瓦、さらに広島県内の中世瓦をとおして、広島城跡から出土した金箔瓦について探っていきたいと思います。 |