レコードコンサート イギリス王室と音楽
■選曲&解説/中畝 みのり(ヴァイオリニスト)
2022年9月8日にご逝去されたクィーン・エリザベス2世を今一度、音楽で偲びます。イギリス王室には、"Master of the King's/Queen's Music"という役職があって、葬儀や戴冠式の曲などが残されています。バロック期にはウェストミンスターに生きたヘンリー・パーセルやイギリスに帰化したヘンデルが活躍しました。ヴィクトリア朝では、メンデルスゾーンが10回も訪問し、彼らに作品を残しました。クィーン・エリザベスが生まれた頃はエルガーがその役を務めています。彼女の葬儀で演奏された曲の決定や特に葬送行進曲のテンポを♩=75としたのもご本人の意志でした。大英帝国の歴史を担ぐ訳ではありませんが、年に一度のイベントPromsコンサートで女王を讃える音楽を聴きながら、96年の人生を振り返りましょう。 |