筆の美
書家 木村陽山(きむらようざん)(1899-1986)が収集した日本最大のコレクションには、筆管(ひっかん)に堆朱(ついしゅ)や螺鈿(らでん)、象牙彫(ぞうげぼり)などの装飾が施された観賞用の筆はもとより、富岡鉄斎(とみおかてっさい)、竹内栖鳳(たけうちせいほう)らの愛用した筆のほか、名立たる筆匠、勝木平造(かつきへいぞう)、藤野雲平(ふじのうんぺい)らが制作した筆など1000点にも及ぶ筆が含まれています。
本展では、このコレクションを中心に、細井広沢(ほそいこうたく)が制作を試みた水筆(すいひつ)や、澤庵宗彭(たくあんそうほう)が使用した筆、さらにポーラ文化研究所所蔵の江戸期の化粧筆コレクションを合わせ、300点を越える名品の展覧を通して多様な筆の美を探ります。 |