佐藤晃一 俳グラ展
江戸のころ、「俳画」というものが流行ったという。ひとつの画面に絵と俳句が組み合わされているわけだが、絵と言葉が共存しているといつ点では、今日のマンガとも似ている。
しかしそれ以前に、ポスターや本の装丁など、私がやってきたグラフィックデザインの仕事も、イメージとことば、左右両脳のバイパスに油を差すような仕事であった。
以前、友人との酒の席で話に出た展覧会のことなど忘れていたのだが、ギャラリーの壁をすべて新作で埋めなければならんくなり、あわてて「俳グラ(私の句にグラフィックアートを付けたもの)」を“発明”した次第。それらの作品が出版社も目に止まり、高価な作品集となり、掛け軸にまでなって、今は、国内外の巡回展へと広がっている。
仕事を離れて、個人的な遊びと思っていたことだったが、かえってそれが日本の文化の地下水に触れてしまったらしい。なるべく多くの人に楽しんでいただければ、と思う。 |