レコードコンサート 『師匠とその弟子』のある姿
伝統あるクラシック音楽界では、各分野(作曲家、演奏家等)における師弟関係が重要な視点をもって論じられることがあります。W・A・モーツァルトは、父親をはじめ、J・S・バッハの息子達やボヘミア出身のシュターミツ,ミスリヴェチェクらがその師としてあげられ、ロココ芸術の完成度を高くしました。日本でピアノを学ぶ人達は、必ずチェルニーの作品を学び、技術を磨いていきますが、チェルニーはベートーヴェンの弟子で、古典音楽を確実に演奏する技をその練習曲の中に整えました。技はその作品のニーズにこたえて進歩していきます。
高弟はその師を有名にすると言われますが、私自身、ヴァイオリンを学び、そして、教えていく過程で師弟関係の存在を問いながら、一昨年、弟子達と海外公演をしてきました。そんな映像を見聴きながら、師とは、あるいは弟子とは、を考えてみましょう。
【鑑賞曲】
◇モーツァルトやミスリヴェチェクのヴァイオリン協奏曲
◇ベートーヴェンとチェルニーのピアノ曲
◇シェフチークのチェコ舞曲 など
【選曲&解説】中畝 みのり(ヴァイオリニスト・広島修道大学非常勤講師)
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