広島県内でこれまでに受けてきた災害の概要と、それに対する先人の教訓、防災への取り組みの歴史を、伝承・石碑碑文・古文書・古図面などから紹介します。
[はじめに]
災害の種類とその原因等を紹介し、広島県の気候・地質・地層などの特徴から、広島県域で注意すべき災害について考えていきます。
[第1章 ひろしまの災害と防災の歴史]
古文書・絵図・絵葉書・模型など様々な資料を通して、広島県を中心に過去に発生した災害の様子と、そうした災害に立ち向かった先人の姿を紹介します。
(1)大雨による河川の増水によって発生する洪水などの水害については、県内の代表的な河川である芦田川・太田川・江の川で起こった過去の事例と、それを防ごうとした人々の取り組みについて紹介します。
(2)土砂災害については、洪水に比べ発生した範囲が限られるため記録された数は少ないようです。ここでは、近年の豪雨災害の記録などを展示するとともに、堂々川砂留群など江戸時代以降に行われた芦田川下流域における治山の取り組みについても紹介します。
(3)地震については、県内においても大きな地震で幾度か被害を受けています。ここでは、安政の大地震など過去の地震の様子を記した記録(土佐震災図絵、御旧記など)やそれに備える人々の姿を記した記録(永記録など)を紹介します。
[第2章 災害から文化財を守る]
宮島・厳島神社(世界遺産)などの文化財が被った災害の様子を紹介するとともに、被災した文化財の復旧活動を始め、文化財を災害から守り、後世に伝えていく取り組みを紹介します。
[第3章 災害から我が身を守る]
被害を少なくする=減災、被害を防ぐ=防災について考えます。減災や防災の取り組みには、自らの身を守る「自助」、地域で助け合う「共助」、県や市などが行う「公助」があります。これらをしっかりと組み合わせることで、被害をより減少させることができます。ここでは、主に防災グッズやハザードマップを展示し、自らの身を守る「自助」について紹介します。
(ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)主任学芸員 唐口勉三)
「ひろしまの災害と防災-土砂災害・洪水・地震-」早春の展示
【会期】平成29年1月13日(金)〜3月20日(月・祝)
【会場】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)(福山市西町2-4-1)
【開館時間】9:00〜17:00(入館は16時30分まで)
【休館日】月曜日(ただし3月20日は開館)、2月7日(火)〜10日(金)
【入館料】一般290円(220円)、大学生210円(160円)、高校生まで無料
※( )内は20名以上の団体
【問い合わせ先】ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)084-931-2513 |
江戸時代後期の石積み砂防堰堤(堂々川六番砂留、福山市神辺町)
絵葉書(芦田川堤防切レ口 其二、大正8年7月5日)広島県立文書館蔵
水害の被害を伝える石碑(坂町、明治43年)広島県立歴史民俗資料館提供
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