アートマネジメント研修「企業メセナへのアプローチセミナー@広島」
掲載日:2009年5月18日
公益財団法人ひろしま文化振興財団では、毎年、文化施設の職員や文化に関心を持つ方を対象にアートマネジメント研修を開催しています。
今年のテーマは「企業メセナ」。1990年代にメセナブームが起き、現在では、支援の方法は多様化し、各地でユニークな活動が見られるようになってきました。
当財団では、企業協賛や助成の申請方法等を学んでいただき、広島県の文化活動をさらに盛り上げていくために「企業メセナへのアプローチセミナー@広島〜アート+企業、パートナーシップで育む地域のソフトパワー」と題し、気軽にご参加いただけるセミナーを開催します。
今回、このセミナーを企画した当財団北上事業推進員にいくつかポイントをききました。
◆今年のテーマは「企業メセナ」ですが、このテーマに決めたのは?
現在、行政、民間を問わず、芸術文化事業を企画される方々にとっての大きな課題は、「資金調達」の問題ではないでしょうか。行政・文化施設にとっては文化予算の削減、文化団体にとっては行政の補助金や助成金の削減という状況が、事業を実施するうえでの大きな障害となっています。
では、行政の補助金等が難しいから、企業の協賛金を?しかし、これはこれで難しいわけです。企業にとってメセナ(芸術文化支援)は、義務ではないわけですから。この不況期に、わざわざばらまいたりはしません。
しかし一方で、広島県内でも、様々な企業がメセナや社会貢献活動に取り組んでいます。企業はどのような目的でメセナを行うのか?そこを把握しておくことは重要です。「今度、○○公演を行いますので、寄付してください。」これでは、「申し訳ございません。弊社も今、予算が減じられておりまして…」と断られてしまうのがおちです。各企業の企業理念や社会貢献の目的などを知ったうえで、どういった形であれば、お互いに良いおつきあいをしていけるのかを考える必要があろうかと思います。
企業と芸術文化関係者に、先ずはお互いの事情などを知り合っていただき、実りある交流を図っていただきたい。お互いにメリットのある、しかも持続的な関係性を築いていただくことで、ひいては地域の文化力の向上にも繋がるのではないか。そういった願いから、この研修を企画させていただきました。
◆研修内容について教えて下さい。
企業のメセナ・社会貢献担当者や芸術団体の方を講師に、互いが日頃から感じている疑問や要望などについて話し合います。また、企業とアートがパートナーとなることで、どのような相乗効果があるのか等についても考察していきます。さらに、社団法人企業メセナ協議会発行の『企業メセナへのアプローチガイド』をテキストに、企業協賛や助成の申請を行う過程でおさえておくべきポイントや、企業とのコミュニケーションの大事なポイントなども紹介します。受講者からの質問などにも、たくさんお答えしたいと思います。
◆文化団体が協賛・助成などを受ける時のポイントは?
先ずは、「相手をよく知る」ことだと思います。事前に、企業の事業内容や業績、社会貢献の理念(目的)などをよく調べ、「なぜA社に依頼するのか」を明確にしておくことではないでしょうか。「どこでもいいから、先ずは当たって砕けろ」では、本当に砕けてしまいます。お互いにマッチングできそうなポイントを見つけたうえで、依頼先を絞り込んでいく必要があろうかと思います。
また、今回の研修の事前情報を得るために、県内のいくつかの企業を訪問させていただきました。ある担当者によれば、「企画書など、紙に書いたものを何も持たずに、支援要請に来られる方がいますが、それは本当に困ります。こちらも事業の目的や効果などを示したうえで、上司の決裁を取らなければなりません。企画書も無いようでは、上司にあげようもない」ということでした。事業の目的や内容等を分りやすく、明確に記した企画書づくりも必須です。
その他、より詳細かつ具体的なポイントは、ぜひ、研修に参加してお聞きください。皆様のご参加をお待ちしております。
詳しい内容はこちらです。ぜひご参加ください。
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昨年度の様子
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