トップページ> オンラインマガジン
オンラインマガジン
バックナンバー一覧
国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア

掲載日:2009年7月7日
 広島県立美術館で、2009年7月28日(火)から10月18日(日)まで、国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア が開催されます。
 モスクワにある、国立トレチャコフ美術館展はロシア美術の宝庫。実業家パーヴェル・トレチャコフ(1832-1898)が創設し、ロシア革命後、国立美術館に。各時代のロシア美術の傑作をそろえ、10万点以上のコレクションを誇る、ロシア最大級の美術館です。
 今回、数あるコレクションの中から、19世紀後半から20世紀初頭の作品75点が広島にやってきます。この時代、ロシア文化は、さまざまな思想・運動を背景に、文豪トルストイ、巨匠チャイコフスキーなどを輩出した黄金期。美術界は、ロシア独自のリアリズム(写実主義)を展開。民衆側に立った、新しい表現方法が生まれました。
 今展は、ロシアリアリズムが印象主義的なものへと変貌していく流れを、「自然」、「人」、「風俗」という三つの視点に着目し、体系的に紹介しています。トレチャコフ美術館の名品でたどる、帝政末期のロシア美術。“忘れえぬロシア”になること、間違いないでしょう。

【展覧会を飾る作品の一部をご紹介】
●イワン・シーシキン《森の散歩》

 イワン・シーシキン(1832-1898)は、自然を“緻密”に“客観的”に描写し、叙事詩的に表現した画家です。シーシキンにとって、人物は自然の清純さを強調するものにすぎません。この作品もその一つ。やさしい光、明るいロシアの自然に驚くことでしょう。


●ニコライ・ゲー《文豪トルストイの肖像》
 ニコライ・ゲー(1831-1894)は、トルストイの思想に感銘を受け、その精神を継承した画家と言われています。ゲーの眼差しがとらえた文豪の姿。新たなトルストイ像を発見するかもしれません。


【さらに詳しく鑑賞できる企画(無料)】
◆講演会「恩讐と欲望に引き裂かれて」
 
 講師:亀山郁夫(東京外国語大学長)
 2009年8月2日(日)14:30〜 美術館地下講堂
 ※当日10時から整理券を配布(200名)
◆よくわかる解説付き「国立トレチャコフ美術館展」鑑賞会
 第1回 8月 8日(土)13:30〜 美術館地下講堂
 第2回 9月19日(土)15:00〜 美術館地下講堂
◆ギャラリートーク
 7月31日(金)、8月14日(金)、9月11日(金)、9月25日(金) いずれも11:00〜 美術館3階企画展示室
※今展のチケットが必要

 前売り券は、広島市内のプレイガイドや画廊で販売中。
 「ひろしま夏の芸術祭」開催中の8月11日(火)から30日(日)までは、小・中・高校生は入場無料!!
 この夏休み、家族で一緒に、出かけてみてはいかがでしょう。


詳しいお問い合わせは、広島県立美術館まで。

今展のポスターを飾る女性―                イワン・クラムスコイ《忘れえぬ女》              (C)The State Tretyakov Gallery


イワン・シーシキン《森の散歩》               (C)The State Tretyakov Gallery


ニコライ・ゲー 《文豪トルストイの肖像》         (C)The State Tretyakov Gallery