広島文化新人賞受賞者に聞く ~手嶋勇気さん 掲載日:2022年4月15日
第2回 広島文化新人賞を受賞された手嶋勇気さん(広島市)です。
◆広島文化新人賞の受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。広島で活動してきたことが、このような形で評価されて光栄です。
◆2019年から手掛けておられる「AID」シリーズが以前の写実的な画風から変化したのには何かキッカケがあったのですか?また、鑑賞する上でのポイントがあれば教えてください。
厳密には、2016年くらいから写実的な画風から、抽象的なイメージを描くようになっていったのですが、当時は、単純に写実的でない方法を試す中で抽象的なイメージを描いていたように思います。
抽象的に描くことにも限界を感じつつあった時に、戦前戦後を中心とした広島の画家たちに興味を持ち始めました。彼らは反戦や平和について訴えるかたわら、広島の街のスケッチを数多く残しています。私もそうした流れを汲んだ形で作品を制作したいと思い、スマホのアプリでスケッチをするようになりました。そうして出来上がっていったのが、現在続けている「A I D」シリーズです。
「A I D」は、スケッチを基調としているので、描かれているモチーフは実際にある景色です。広島のどこからみた風景なのか考えながら鑑賞していただけると面白いかもしれません。
◆制作活動以外に2020年から同世代の画家や彫刻家と共同で「Hiroshima Drawing Lab」を立ち上げておられますね。その目的や活動についてご紹介いただけますか?
「Hiroshima Drawing Lab」は、メンバーの井原信次さんの呼びかけでスタートしました。立ち上げから運営まで、メンバーで協力して活動しています。
ラボ自体は、メンバーの企画で作品展示を3か月に一回ほど行っています。最近では、牡蠣をテーマに広島のアートシーンに関わる人たちにお声をかけて、「牡蠣展」という展覧会を開催しました。ギャラリーの運営をしている方や、メンバーの子供が描いた絵も展示されており、普段、作品を作っていない人たちにも作品を作っていただき、展示することで作家だけが作品を並べる展覧会とはまた少し違った作品展になったと思います。
こうした活動を通して、広島の美術に関わる人たちや、広く一般の人たちとの交流が広がっていくといいなと思っています。
◆今後に向けて、ひと言いただけますか?
今後は、画家個人としての活動を精力的に行っていくことはもちろんですが、アトリエとして使用しているスタジオピンクハウスやH D Lなど、関わっているスペースを活用していきながら、広島の文化芸術がより活発になっていくような活動に力を入れていきたいです。
ありがとうございました。
今後益々のご活躍をお祈りいたしております。
現在、絵画展を開催中だそうです。皆さん、是非お出掛けください!
■手嶋勇気 絵画展「ひろしまスケッチ vol.2」
会期: 2022年4月2日(土)~4月23日(土)
時間: 12:00~19:00
休廊: 月・火曜日
会場: EUREKA(福岡市中央区大手門2-9-30 Pond Mum KⅣ 201)
Tel/Fax: 092-406-4555 |
 手嶋勇気さん
 AID#15
 AID#27
|
|