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広島文化新人賞受賞者に聞く 〜野毛幸司さん

掲載日:2024年5月15日
◆広島文化新人賞の受賞 おめでとうございます。
ありがとうございます。
ただただ好きでやっていた研究が、世のため人のために役立ち、ステキな賞をいただき感無量であります。「継続は継続」で続けていると、こんなに嬉しいことがあるのかと思っております。
多方面、御指導、御協力いただいた皆様、また多くの資料、研究を残された先人にも感謝です。一人じゃ何もできません。

◆福山城に興味を持たれたのは小学生の頃だそうですね。
小学校の頃から地元の歴史に興味を持ち、「戦災消失前の福山城天守はどんな形状をしていたんだろう?」と、ほんとにちょっとした疑問から沼にハマりました(苦笑)
当時から福山城研究の乏しさから「なぜ評価されないのか?」と嘆いていました。
研究を続ける中で、自分のご先祖様は元々福山城付近に住んでいて、築城によって立ち退いた農民たちだと知りました。ちゃんと資料も残っていて、立ち退き料として減税してもらっていたり、福山城内に農民たちのお墓があったり、ただならぬ縁を感じています(切実)

◆現在も、会社員の傍ら、福山城研究を独自に続けておられますが、仕事と研究の両立で苦心されていることはありますか?
幸いにも周りの皆様には、良く理解していただいております。とくに今働いている会社の代表は歴史好きで、多く便宜を図っていただいており、とても感謝しています。

◆野毛さんにとって、福山城の一番の魅力は何でしょうか。
皆様にお伝えしたい福山城の魅力は、最新鋭の天守と最古級の櫓である伏見櫓が共存している点です。
福山城天守は、優秀な木材と最高の技術によって完成された天守建築の到達点であり、伏見櫓は、伏見城から移築された城郭史上極めて貴重な櫓で、それが福山城にあるんです!!
福山城は、最新鋭の天守、近世初期の城郭建築を伝える櫓や門、珍しい鐘楼や懸造りの風呂屋、それぞれに特徴があって、福山城だけで日本の城郭建築を十分に知ることができるんです。そんな中で、私の一番の魅力として「実はよくわからない」ことだと思うんです。
今まで当てられていた櫓の名称がよく分からないことについては、すでに発表しましたが、他にもハッキリしていないことが多く、「知ってるようで知らない」という謎に満ちた存在なんです。
その謎をひとつひとつ解明していく楽しさが福山城の魅力なのです♪

◆今後に向けて一言お願いいたします。
今後も変わらず楽しく研究を続けて行きたいです。
直近の目標としては、放置しているYouTubeを使って「城報発信」する事と、水野家や福山の歴史について幅を拡げ深く掘り下げて行ければと思っております。

ありがとうございました。
今後の、益々のご活躍をお祈りしております。

○告知----------------------------
ひろしまアートラウンジ事業 講演会「備後福山城の魅力」
日時:2024年7月13日(土) 14時〜
会場:広島県民文化センターふくやま 文化交流室
*参加無料・事前申込不要です。

■過去講演会もYouTubeでご覧いただけます!
福山市文化財協会 記念講演会「備後福山城の研究最前線」第一部(2022年)

野毛幸司さん


福山城を案内する野毛さん


ひろしまアートラウンジ事業 講演会「備後福山城の魅力」