浮いてる女!?〜作家 平安寿子さん 掲載日:2010年1月5日
公益財団法人ひろしま文化振興財団では、心豊かなうるおいのある地域社会の創造に寄与するため、地域文化の向上、普及に貢献した個人又は団体に、毎年「広島文化賞」を贈呈しています。
今回は、平成21年度の受賞者 作家の平安寿子さんにお話を伺いました。
■受賞のご感想をお聞かせください。
まったく予想外でしたので、驚きました。広島在住というだけで、地域文化に貢献しているわけでもないのにいただいて「ほんとに、いいの?」というのが正直なところです。ほんとにわたしで、よかったんでしょうか。
■新作の「ぬるい男と浮いてる女」もちょっと笑えて元気がでるような小説でしたが、 今後はどのような作品を書きたいと思われていますか。
わたしは今年、57才になります。へー、57才ってこんな感じなのかと驚いています。年をとるとはどういうことなのか、味わいながら生きていきたいと思っているので、小説も老いていくことの実況中継みたいなものが多くなるだろうと思っています。若い人が主役のお仕事小説も書きますが、その際も、若い人たちだけではなく、おじさんおばさんが一杯出てきて、中高年の生活と意見をガンガン主張することになります。
■平さんの作品にはパワフルな女性が登場しますが、 現代に生きる女性へメッセージなどをお願いします。
わたしは「順風満帆」が嫌いです。順風満帆とは、何もしなくてもうまくいってしまう状態で、そのときに人は努力を忘れます。「楽は苦の種、苦は楽の種」という通り、アップダウンがあるのが自然の法則で、楽なときに落とし穴があるのです。57才にもなると、それがわかります。苦しいときにこそ、飛躍の準備がなされているのです。ただし、それがわかるには時間がかかります。苦しい気持ちや立場を一気に解消する特効薬はありません。耐えて待つしかありません。楽しちゃ、いけません。耐えてください。逃げずに耐えていたら、神様がご褒美をくれます。そういうものです。
ありがとうございました。
ますますのご活躍を楽しみにしています。 |
贈呈式の様子
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