ふるさとの文化「神楽」ブラジルへ・・・�� 掲載日：2008年6月15日
１９０８年に始まった日本人ブラジル移住が，今年で１００年目を迎えます。その記念事業としてこの６月にブラジルで開催される「日本文化週間」に広島県を代表して，安芸高田市の「横田神楽団」「上河内神楽団」「原田神楽団」の混成チームが，現地６月２１日にブラジル最大の都市サンパウロで神楽公演を行います。
今回は，混成チーム団長の久保良雄さんにブラジル公演についてお話を伺いました。
◆３団体の混成チームによる公演ですが，いつもと違う点を教えて下さい。
この度は「紅葉狩り」「滝夜叉姫」「八岐大蛇」の３つの演目を公演します。神楽の演目はそれぞれの神楽団によって構成・演出に特徴があり，それぞれの神楽団の特徴を活かすというのは大変難しいものです。そのため，「紅葉狩り」と「滝夜叉姫」は１つの神楽団を中心に公演を行い，他の神楽団は補助に入ります。しかし，「八岐大蛇」はこの公演のために独自にアレンジを行います。地元の祭りなどで公演する際，蛇の頭数は４頭から多くて６頭が主流ですが，この度は３つの神楽団からそれぞれ持ち寄り，他ではあまり見ることができない８頭の蛇による公演になります。どの神楽団にとっても初めての試みなので，練習には苦労しましたが，素晴らしい舞台を届けたい，という皆の共通した思いがあり，練習にはとても熱が入りました。
◆広島県からの移民によりブラジルでも神楽が継承されていますが，同じく神楽を継承している者としてどのように思いますか。
これは大変貴重なことだと思っております。５，６年前になりますが，ブラジル広島神楽保存会の活動を聞き，お役に立てればと神楽の衣装を寄贈しました。その際に，何十キロも離れたところから通い，神楽に取り組んでいる女性のことを知りました。安芸高田市でも広島市から神楽団に通う方はいますが，広大なブラジルの地で，はるばるやってくるということは並大抵のことではないと，とても感心しました。このように遠い異国で神楽に取り組む人がいるというのは，我々にとっても励みになっており，また脈脈と受け継がれてきたことに，日本人の神楽に寄せる強い思いを感じずにはいられません。
◆ブラジル公演への意気込みについてお聞かせください。
広島県の推薦を受け，広島県や安芸高田市，それぞれが支援してくださっており，代表に恥じない舞台にしたいと意気込んでいます。
しかし，力みはマイナスを生んでします。まずは，本番に強いチーム作りが大事です。各神楽団ともそれぞれの活動があり，限られた練習時間の中でいかにお互いの個性を調整し合えるか，公演の成功は本番までの練習にかかっています。
見に来てくださる方の半数がこれはよかったという公演を目指しています。もちろん，皆さんが満点をつけてくださる公演ができればこれが一番うれしいことです。
本日はありがとうございました。ブラジルまでの長旅お気をつけください。公演の成功をお祈りしております。
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