6月20日(金),ブラジルのサンパウロ市アニェンビーコンベンションホールにてブラジル日本移民百周年記念神楽公演が行われました。
今公演では,この公演のために特別に編成された安芸高田市の横田神楽団・原田神楽団・上河内神楽団の混成チームにより「紅葉狩り」「滝夜叉姫」「八岐大蛇」の3つの演目が約2000人の大観衆が見守るなかで行われました。
また,これに先立ち前日には公開リハーサル,翌日は現地の神楽保存会との交流会が行われ,神楽保存会の演舞披露,演舞に対する派遣団からのアドバイス,派遣神楽団による実演等の交流がありました。
今回はこの神楽団の派遣に関わり,同行された広島県県民文化課の黒田さんへインタビューを行いました。
*このたびの公演で観客や現地の反応はいかがでしたか?
今回の公演は,移住百周年という記念すべきこの機会に是非という現地からの強い要請がありましたので,広島県人会や神楽保存会等の現地関係者の期待も大きく,事前のPRや舞台準備,当日のパンフレットの配布などに御協力をいただきました。
このようなことから公演の2時間前には現地テレビ局の生放送での神楽取材もあり,2600人が収容できる大ホールの1階席は公演直前には,ほぼ満席となりました。
上演中は入れ替わり常時十数人の観客がステージに寄りかかってビデオや写真を撮られたり,客席では皆さん息を呑んで見入っておられました。最終演目の「八岐大蛇」が終わって,団員全員がステージに集合されますと観客全員が立ち上がって盛大な拍手をおくり,感動の中で幕を閉じました。日本では見られないような熱烈な反応に,派遣団の側も大きな感動をいただきました。
帰国後,現地広島県人会から「神楽公演の反響は大きく,現地では『もう公演はないのか』『DVDが欲しい』という声など,すばらしかったと評判になっており,神楽をブラジルのたくさんの方に知っていただくことができて,大変嬉しく思っている。」との情報もありました。
*この神楽公演を振り返っての感想はいかがですか。
日本の真裏に位置するサンパウロまで片道およそ30時間掛けての渡航や,公演前日の夕刻にかけての公開リハーサル,本公演,現地神楽保存会との交流事業,その合間の準備等と安芸高田神楽協議会の派遣団の皆様には大変過密な日程にも拘らず,見事な上演や神楽保存会との交流を実施していただきました。現地の反響からも広島の伝統芸能「神楽」の魅力が十分に伝わったと思います。このことは派遣団の方は勿論,神楽を保存継承される方々にとりましても,県の文化振興を担う者にとりましても大変意義深いものであったと思います。
公演に当たって,ブラジルの広島県人会の皆さんをはじめ,会場スタッフの皆さんにも大変誠意にあふれる対応をいただきました。このことを忘れず,距離は遠くても心は近い国としてブラジルを意識し続けたいと思っています。
ありがとうございました。 |
公演前の様子
公演の様子
現地神楽保存会との交流会
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