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藤井清水と音楽祭実行委員会

掲載日:2016年8月19日
藤井清水は呉市が生んだ偉大な作曲家です。
明治22年に現呉市焼山に生まれ、大正5年に東京音楽学校甲種師範科(現在の東京芸術大学音楽部)を卒業後、亡くなる昭和19年まで活躍した作曲家で、野口雨情、北原白秋など多くの有名な詩人の詩に童謡、民謡、歌曲を作曲したほか、全国の民謡採譜にも尽力しました。
作品は民謡編曲、ピアノ曲、室内楽、歌劇、合唱曲など確認できるものだけで1899曲以上に及び、その藤井清水の作品の芸術性の高さにドイツから帰国した山田耕筰が感嘆したというエピソードは有名です。

呉市民にとって藤井清水が作曲した「呉市歌」は有名ですが、市民には馴染みの薄い楽曲の中にも、高い芸術性を評価されている作品も多く、広く市民の方々に藤井清水の業績を知ってもらうために藤井清水音楽祭を開催しています。
音楽祭は藤井清水の楽曲を中心に洋楽の部(合奏・合唱・独唱)、邦楽の部(民謡)に分かれ、呉市を中心に活躍する団体に出演いただき、国内外で活躍する歌手やアーティストをゲストに迎え開催するコンサートで、平成28年度で15回を迎えます。

藤井清水音楽祭実行委員会は、平成14年呉市制100周年の記念事業として藤井清水音楽祭を開催するために組織されました。
平成27年度は、「藤井清水の音楽が自分が探し求めてきたメロディ」と藤井清水を高く評価する呉市出身のサックスプレーヤー坂田明さんをゲストに迎えました。その出演を機会に、音楽祭の拡充を目的に実行委員会初の事業として地元の中学・高校の吹奏楽部の生徒と藤井清水をとおした音楽の交流事業も行いました。
この交流会は、吹奏楽用に編曲した藤井清水の楽曲の演奏に、藤井清水の生誕地の地区の中学校2校、坂田明さんの母校の高等学校が参加し、坂田さんからコメントや指導をいただき、藤井清水の楽曲に対して理解を深める好機となりました。
また、この交流会のために新たに編曲した曲は、藤井清水音楽祭実行委員会で音源つき楽譜として出版し、呉市内の中学・高校に配布、演奏に取り組みやすい環境整備を行いました。併せて呉市内の小学生に、藤井清水の童謡に親しめるよう、「藤井清水秋の曲メドレー」を新たに編曲依頼し、音源つき楽譜を出版、呉市内の小学校に配布しました。
このメドレーは、平成28年度藤井清水音楽祭vol.15で呉少年合唱団によって初演されます。
藤井清水音楽祭実行委員会では、今後も藤井清水の理解を深める事業に積極的に取り組み、藤井清水音楽祭を盛り上げていきたいと思います。

清水音楽祭vol.15
■日時:10月9日(日)13:00開演
■場所:呉市文化ホール(呉市中央3丁目10-1)
■入場料:一般1,000円/高校生以下500円
■プログラム:
●洋楽の部
 【歌曲】 藤井清美歌曲研究会「大島女」 ほか
 【合唱】 呉少年合唱団「藤井清美秋の曲メドレー〜秋の風、秋の霜、こおろぎ、虫の音、雲雀の子〜」 ほか
 【独唱】 呉市藤井清美の会「うら畠」 ほか
●邦楽の部
 【邦楽】 呉三曲会「藤井清美名曲集〜港の時雨、つらつら椿、河原柳、信田の藪〜」 ほか
 【民謡】 白鳥会「娘と船大工」 ほか
●ゲストの部
 【テノール】澤原 行正
 【ソプラノ】池田 尚子
 【ピアノ】大澤 宣晃
「河原柳」「阿蘭陀船」「港の時雨」 ほか
■問い合わせ先:呉市文化ホール 0823-25-7878

邦楽の部:藤井清水民謡研究会


洋楽の部:呉少年合唱団


楽譜作製:【左】吹奏楽編曲(9曲収録)、【右】合唱編曲(5曲収録)