トップページ> 文化団体リレーレポート
文化団体リレーレポート
バックナンバー一覧
演劇集団ふらっと

掲載日:2024年7月16日
 演劇集団ふらっとは2014年に旗揚げし、広島で朗読会の開催や朗読劇の上演を重ねてきました。「朗読劇少年口伝隊一九四五」実行委員会の活動を引き継ぎ、原爆をテーマにした作品に継続的に取り組む一方、楽しい文学作品にも取り組むことでカラフルな読みができるようになることも目指して活動しています。現在劇団員は裏方を含め8名で、中学生から還暦すぎまで幅広い年齢層で構成されています。

 原爆をテーマにした作品は「朗読劇・いしぶみ 広島二中一年生八月の足あと」(2015)や、井上ひさし作「朗読劇少年口伝隊一九四五」(2016)と「あの日、僕達はヒロシマにいなかった」(2018)などがあります。文芸作品は「イーハトヴの幻燈会」(2017)で、宮沢賢治を取り上げました。朗読会は「声でつなぐ祈り」というテーマで2014年から今年まで続けています。

 劇団旗揚げから2018年に亡くなるまで主宰であった朗読家・富永芳美は「自分は戦後生まれだけれど、戦争の時代と今の若い人達の繋ぎ役になりたい。原爆について一緒に考える人達を増やしたい」という思いを抱いて作品を作り、朗読指導をしていました。主宰の意思を受け継ぎ、私たちは朗読を聞いて下さった方が戦争のニュースを気に留めるようになるように、原爆ドームの前で立ち止まって思いを巡らせたりするように、少しでも原爆や戦争を自分に近い問題として捉えてもらえれば良いなと思っています。

 朗読は言葉にフォーカスしたアートです。朗読者は同時にふたつの行程を行いながら舞台に立ちます。
 ひとつは台本に書かれている作品を読解すること。
 もうひとつは台本に書かれていることを声で表現すること。
 観客は、朗読者が台本を声に出して読むのを鑑賞します。もちろん声だけではなく、朗読者の表情、身体の動き、台本のめくり方も舞台の上での表現に含まれますが、台本を持って舞台に立つため一般的な演劇と比べて身体の動きは制限されます。そのため朗読者の声、つまり朗読者から発せられる言葉そのものが最も重要な鑑賞の対象となります。

 朗読は一般的に映像や演劇作品に比べると視覚的な表現が少ないので朗読された言葉が映像化される場所は、それぞれの観客の心の中です。
 なぜわざわざ朗読するのか。
 それは、例えば被爆体験記の当事者達が書き記した言葉、つまり過去の記憶を今ここで聞いていただくことができるからです。是非会場で当事者が残した言葉を私達と一緒に体験してください。

■劇団員募集中!
演劇集団ふらっとでは随時劇団員を募集中です。(2024年一人入団がありました)見学・体験もできますのでご希望、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください!

■今後の公演予定
『声でつなぐ祈り2024×伊藤天写真展 この街で生きていく2024』*ひろしま文化振興財団助成事業
○声でつなぐ祈り2024
日時:8月3日(土)15時〜
場所:合人社ウエンディひと・まちプラザ
   (広島市まちづくり市民交流プラザ)
   (広島市中区袋町6-36)
○伊藤天写真展 この街で生きていく2024
日時:8月21日(水)〜26日(月)9時30分〜22時
場所:合人社ウエンディひと・まちプラザ
   (広島市まちづくり市民交流プラザ)
   (広島市中区袋町6-36)

『朗読スル Meets JAZZ』
日時:2024年8月30日(金)19時30分〜
場所:一楽章f未完成(中区紙屋町1-4-6)
料金:前売3000円 当日3500円

【問い合わせ先】
演劇集団ふらっと事務局(三輪)
TEL:080-5626-3788
e-mail:reading.aloud.team.flat@gmail.com
HP:演劇集団ふらっと

朗読劇少年口伝隊一九四五(2016)


イーハトヴの幻燈会(2017)


よっしー卒業記念朗読会(2022)