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みやじまの町家に親しむ会

掲載日:2024年8月15日
◆「みやじまの町家に親しむ会」とは
 廿日市市宮島町伝統的建造物群保存地区は令和3年8月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この会はこの制度を末永く推進するため、宮島地域の歴史的過程、宮島町家や町並みの良さ、それに伴う文化・生活の特徴などについて伝えるのによい機会だと思い有志が集まって設立しました。町並みだけでなく、それを支えた町民の生活、住まいが輝いて本当の保存地区制度の価値だと思っています。
 会員は約20名で、設立して2年余りです。現在は様々な学習をしていますが、今後は「保存会」として他地区の活動を参考にしながら町並み保存に対する意識醸成を主に行政と町民のパイプ役となり、保存活動を推進して行きます。

◆重要伝統的建造物群保存地区とは
 戦後の国土開発や高度経済成長に伴う無秩序な都市開発の中で、民家などの伝統的な建物が急速に姿を消し、歴史的な市街地や農村景観が失われていきました。昭和40年代に入るとこの状況に対する危機感が募り、地域の歴史的な風致を残そうと各地で保護する取り組みが始まり、国が後押しするために昭和50年の文化財保護法改正によって伝統的建造物群保存地区制度が発足し、城下町、宿場町、門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みが図られるようになりました。現在では、全国に127地区存在し、廿日市市宮島町もその地区の1つです。
 宮島町は、平安期の厳島神社造営を期に門前町として発展しました。五重塔や千畳閣が立つ塔之岡を境に、神職などの住居地や寺社が集まる西町と参拝客が訪れる観光地や瀬戸内海交通上の港町として発展した東町に分けられ、地割りや通りが形成された当時からほとんど変わっていないことや特徴のある町家が多く残っていることが評価されました。

◆「みやじまの町家に親しむ会」の主な活動
 毎月(宮島の繁忙期は休会)、etto宮島交流館で宮島の町家や町並みについて学習しています。会員は、島内の伝統的建造物の所有者や、宮島の町家や文化、歴史に興味のある島外の方です。座学以外に、伝統的建造物の一般公開や、講演会を企画・実施するなど、町並み保全への理解を促す活動もしています。また、町並み保存会設立に向けて、選定されて長い歴史のある他の重要伝統的建造物群保存地区の視察を行っており、昨年度は呉市御手洗地区、本年度は島根県大田市大森銀山地区を視察しました。

◆◆◆講演会について◆◆◆
【第1回】
日時:2024年9月12日(木) 18:30〜
場所:etto宮島交流館(廿日市市宮島町412番地)
講師:渡邊 泰氏
(長野県塩尻市伝統的建造物群保存地区保存に携わる)
問い合わせ先:廿日市市宮島企画調整課(歴史まちなみ活用保存係)
TEL:0829-30-9119
【第2回】
2025年2月(計画中)

【会の問い合わせ先】
「みやじまの町家に親しむ会」代表 内山
TEL:090-7541-7461

宮島の重要伝統的建造物群保存地区


町並み保存についての意見交換会(大森銀山地区)


大田市大森銀山地区の視察