「ヒロシマと音楽」委員会 「ヒロシマ・音の記憶」コンサートのお知らせ
掲載日:2010年6月1日
「ヒロシマと音楽」委員会は、「ヒロシマ」、「反核」などをテーマに数多くの作曲家が残してきた音楽作品を未来に継承しようという目的で、被爆50周年にあたる1995年に発足しました。歌謡曲からクラシック音楽にいたるすべての音楽ジャンルを対象に、「ヒロシマ」や「原爆」、「核兵器廃絶」に関わりのある音楽を掘り起こしています。
具体的には、広島の原爆被害をテーマとする曲、ノーモアヒロシマの祈り・願いをテーマとする曲、核兵器のない平和な社会の希求をテーマとする曲、広くヒロシマをモチーフとする曲などを発掘してきました。そして、それらの作品に関する情報(作者、作品の生み出された背景など)や、音源の有無(テープやレコード、CDなどに録音・保存されているか)はすべてデータベース化しています。私たちが収集しデータベース化した作品の一部は、現在、広島平和記念資料館のサイトから検索することができます。
事業がスタートしてから10年が経過した2004年3月、それまでに収集しデータ化した1867曲の作品をより広く内外に紹介したいと、データは(財)広島平和文化センターに引き渡しました。しかし、その後も事業は引き続き行っており、2006年7月には、当委員会が収集した音楽作品の目録・年表とともに、「ヒロシマと音楽」のこれまでの歩みやその意義、作者の思いなどをまとめた本が、『ヒロシマと音楽』というタイトルで汐文社から出版されました。なお、この『ヒロシマと音楽』は、出版とともに広島市内の公立学校、公民館に寄贈されましたので、ご覧になりたい方は、広島市内の公民館等にぜひお問い合わせください。
「ヒロシマと音楽」委員会では、データベース化作業の他に委員会の活動の一環として、2010年より毎年1回、5年間「ヒロシマ・音の記憶」コンサートを開催することを目標としています。そして、その第1回演奏会を、2010年7月17日(土) 18時半から東区民文化センター 大ホールで開催します。
コンサートのテーマには「ヒロシマ」を掲げていますが、時代や地域を超え普遍的な広がりをもつ優れた音楽作品を見出し伝え残していくことを主旨としています。とりわけ、頻繁には演奏されない名曲の発掘と紹介に重点をおいています。
今回のコンサートのテーマは、「出会い」です。出演していただく作曲家、川崎優氏は被爆者であり8月6日の平和祈念式典で毎年演奏される「祈りの曲」の作曲者でもあります。川崎優氏による原爆体験のお話と「祈りの曲」シリーズの新作演奏を中心に、被爆者・戦争体験者と若い世代など、さまざまな世代・記憶の出会いの場となることを目指しています。
コンサートには、上垣内寿光氏や藤田真弓さんといった広島出身のプロの音楽家の方々も参加されます。また、川崎優氏のフルートの愛弟子であり、現在広島市立基町高等学校で音楽教員をされている土居晃氏にも参加いただき、川崎優氏の代表作であるフルートとピアノのための《祈りの曲第5番「暁の祈り」》、フルートとピアノのための《祈りの曲第6番「夕べの祈り」》を演奏します。《祈りの曲第6番「夕べの祈り」》は世界初演になる予定です。
また、安田学園 安田女子高等学校音楽部の皆さんにも参加していただき、新実徳英氏作曲の合唱曲「南海譜」や、三善晃氏作曲、谷川俊太郎氏の詩による合唱曲「生きる」など、新しい世代への命のつながり、生きることの意味が感じられるような音楽も演奏します。
ヒロシマと音楽委員会主催による初めての企画コンサートです。ぜひ、足をお運びください。
詳しくはこちら ヒロシマ・音の記憶 Vol.1〜出会い〜 |
|