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広島文化新人賞受賞者に聞く 〜西原美彩さん

掲載日:2024年5月1日
第4回広島文化新人賞を受賞された西原美彩さん(尾道市)にお話を伺いました。

◆広島文化新人賞の受賞 おめでとうございます。
ありがとうございます。この様に評価されること、身が引き締まる思いです。

◆広島国際アニメーションフェスティバル(1985〜2020年開催)がきっかけで、アニメーション制作に興味を持たれたそうですね。
はい。大学生当時2012年に広島国際アニメーションフェスティバルの上映作品を観て、「こんな自由な表現のアニメーション作品があるのか!」と驚きました。それからは開催ごとにメインの上映プログラムである「コンペティション」(世界中から応募されています)を始め、素晴らしい作家の作品群、日本で活躍する方々の作品など、たくさんのプログラムを観ることを楽しみにしていました。現在は2022年から「ひろしま国際平和文化祭」内の「ひろしまアニメーションシーズン」が行われ、今年2024年も8月14日-18日に開催されます。
私が在籍していた広島市立大学芸術学部の映像メディア造形研究室でも、アニメーション制作の指導や、制作をしている先輩の姿・編集機材などがあり、アニメーションを作り始めるにはとても良い環境でした。

◆短編アニメーション「鬼、布と塩」は広島の伝統文化である神楽や藻塩をテーマとした作品ですが、制作中に苦心された点はありますか。
私が苦心した点は、4年の時間をかけて制作を続けている時に頭にちらつく、「こんなに時間をかけ制作して、作って良かったと思えるものになるだろうか?」という疑念です。そんな制作当時、上記の研究室の非常勤助教として在籍しており、先生方の言葉や学生の制作姿にとても励まされていました。
今はやはり時間をかけて伝統文化の調査や体験をしたことが生きていると思います。呉市蒲刈町へ藻塩づくり体験に行ったり、神楽を見ることはもちろん神楽団の方と演目や舞うことについてお話を伺ったりしました。右中段画像は広森神楽団さんの演目「鍾馗」です。コロナ禍の頃に疫病退散を込めて奉納されており、私はこの時に見た光景が今でも忘れられません。
アニメーション内で鬼がご飯を食べ体を動かすシーンがあるのですが、神楽の楽をされている方にお願いして太鼓の収録をおこなっています。ナレーションは第2回広島文化新人賞を受賞した手嶋勇気さんにお願いしました。お話した際にとても魅力のある声だったので。
アニメーション制作自体も時間と多くの協力が必要なので、スケジュール管理をするのも基本ではあるのですが、それにも苦心しました。

◆この4月から尾道市立大学で教鞭をとっておられます。活動拠点が尾道に移ったことで、制作活動に変化はありますか。
これまでにも何度も尾道へ行っており、とても良い雰囲気な街だと思っていたので、尾道に移ること、尾道市立大学で教鞭をとれることを嬉しく思います。
尾道は制作活動するにあたり集中できる環境であると思っているので、これから制作前の調査や体験、アニメーションの実験などするのが楽しみです。

◆今後に向けて一言お願いいたします。
これからも広島の文化を改めて見つめ活動を続けていきたいと思います。今後ともご支援、応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。
今後ますますのご活躍をお祈りしております。

西原さんの最新情報や過去作品などはこちらからどうぞ!

西原美彩さん


短編アニメーション「鬼、布と塩」(2022年)


広島護国神社奉納 広森神楽団「鍾馗」(2020.6.2)